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残虐非道なQB
前回の最後、魔法少女の真実明かされたり、さやかがほむほむのGJによって救われたりした後、さやかが自宅に帰ってきたところから。
さやかはキュゥべえが魔法少女の本当の仕組みを隠していたことにガチギレ。
しかし、キュゥべえは「聞かれなかったから教えなかっただけ」「知らないままでも不都合は少ない」などと詐欺師みたいなことを言って反論。
人間の身体は脆すぎるため、魔法少女として戦うには、むしろ魂をソウルジェムに入れておいた方が都合が良いと。
それに対してさやかも食い下がるが、キュゥべえはさやかのソウルジェムに魔力を込めて、さやかに「お腹に槍が刺さった」レベルの痛覚を直接与える。
これはやりすぎですわ…完全に本性出してきたQB。さやかちゃん可愛そう…
キュゥべえも考え方が根本から違うだけで、悪気なさそうなのがまた救えない感じですね…。
学校にて
翌日、さやかは学校を休みます。心配するまどか。
いつもの屋上にて。
まどか「ほむらちゃんは知ってたの?」
まどかはほむほむに色々質問をぶつける。ほむほむは「知ってたけど、誰も信じてくれなかった」と。
ほむほむはいつも通り冷静に淡々とまどかの質問に答えていく。キュゥべえを肯定しているわけではないけど、否定することもなく、「あいつは人間と価値観が違うだけ」と。まどかはさやかを心配するあまり、ほむほむに感情をぶつけてしまってる印象。
まどか「ほむらちゃん、どうしていつも冷たいの?」
ほむら「そうね……きっともう人間じゃないから、かもね」
まどか氏、辛いのは仕方ないけどほむほむに当たるのはちょっと筋違いやぞ……。実際前回さやか救ったの誰だと思ってるん…
6話前半のさやかとの会話のシーンもそうだったけど、まどかの行動言動にちょっとモヤモヤするシーンが多くて、私の中のまどか株が急降下していきます……w
落ち込むさやかのもとに現れた杏子
杏子「ちょいと面貸しな。話がある」
落ち込んでるさやかのもとに現れたのは、なんと杏子。
杏子はさやかを励まそうとしてるのか、いつものような好戦的な態度は控えめ。
杏子だって魔法少女の衝撃的な事実を知ったばかりだけど、もうすでに割り切ってるというか、後悔してる姿を一切見せない強さがすごい。
杏子「ここはね、アタシの親父の教会だった。正直過ぎて、優し過ぎる人だった。毎朝新聞を読む度に涙を浮かべて、真剣に悩んでるような人でさ」
杏子は、自分の父が信念から教義を超えた説教を始めたせいで破門され、家族が貧困に陥った過去を語ります。父の正しさを信じてキュゥべえに「みんなが父の話を聞いてほしい」と願って魔法少女になったと……
願いは叶って人が集まるようにはなったけど、魔法の力が父にバレて、罵られてしまって、最終的に父は心を壊し、家族を道連れにしようとしたが、杏子だけが生き残った。
結果的に他人のために願いを使ったせいで、家族を壊してしまった……と。
しんどい過去ですね。杏子はそんな過去があったから、他人のために願いを使ったさやかを気にかけていたのですね。これまで悪役風だったのに急に優しくなるの、この回でいきなり杏子の印象変わりますよね。
しかし、ここらへんの不気味な絵本のような演出が非常に胸に刺さるものがありますね。ほんとに演出神ってますわ……
さやか「あんたの事、色々と誤解してた。その事はごめん。謝るよ。…でもね、私は人の為に祈った事を後悔してない。そのキモチを嘘にしない為に、後悔だけはしないって決めたの。これからも」
杏子の歩み寄りによってわだかまりは多少消えたようですが、さやかは自分の気持ちを貫き通すみたいです。もう色々引き返せないって感じってところまで来ちゃってますよねぇ…。
翌朝学校にて
まどか「さやかちゃん、おはよう」
仁美「おはようございます、さやかさん」
翌日、笑顔でさやかに声を掛けるまどかと仁美。
さやかはちょっと戸惑っている感じ。まどかは心配そう。
前回色々あったのもあって、ちょっとぎこちない感じの二人ですね。
そしてその日はなんと、なんと上条が登校してるという・・・!
中沢「上条、もう怪我はいいのかよ?」
上条「ああ。家にこもってたんじゃ、リハビリにならないしね」
「さやかに何も声かけないのかよ、この恩知らず!」って一瞬思ってしまったけど、まぁ上条は何も知らんわけですしね…。仕方ないといえば仕方ない。
さやかもさやかで、自分がもう普通の人間の体じゃないことに引け目を感じて声をかけられないし…。
そして、ここでさやかにさらなる追い打ちが…
宣戦布告
仁美 「私ね、前からさやかさんやまどかさんに秘密にしてきたことがあるんです」
仁美「ずっと前から…私…上条恭介君のこと、お慕いしてましたの」
やめたげてぇー・・・!!もうこれ以上さやかをいじめないで;;まさかの仁美が思わぬ伏兵だったとは…。
でも、さやかの方がずっと長く上条を好きだったのに対し、仁美も抜け駆けはせずに1日猶予を与えてくる当たり、義理堅くて普通に良い子なんですよね。
なんていうか、ここに誰か完全な悪役がいればその人に怒りをぶつけられるんだけど、この作品の残酷さって、誰も悪くないのに誰もが苦しいってところなんですよね…。キュゥべえも、悪気がないだけに、余計に厄介というか…。
さやかの気持ち
その夜、さやかがいつものようにパトロールに向かおうと玄関を出ると、まどかがまた待っていました。「さやかちゃんを一人にしたくない」と。
さやか「あんた、何で?何でそんなに優しいかな?あたしにはそんな価値なんてないのに。あたしね、今日後悔しそうになっちゃった。あの時、仁美を助けなければって。ほんの一瞬だけ思っちゃった。正義の味方失格だよ…。マミさんに顔向け出来ない。仁美に恭介を取られちゃうよ…。でも私、何も出来ない。だって私、もう死んでるもん。ゾンビだもん。こんな身体で抱き締めてなんて言えない。キスしてなんて言えないよ…」
さやかの心の奥底からの本音が、ようやく聞けました。
たった一瞬、仁美を助けなければよかったって思っただけで自己嫌悪してるなんて…それだけで彼女が本当に良い子だってことが伝わってきます。正義の味方失格だなんて、全然そんなことないのに。
それなのに、さやかはあまりにも報われなさすぎる…。
本当にQBはやらかしてくれたな…
見守る杏子と壊れるさやか
ほむら「黙って見てるだけなんて、意外だわ」
杏子「今日のアイツは使い魔じゃなくて魔女と戦ってる。ちゃんとグリーフシードも落とすだろ。無駄な狩りじゃないよ」
さやかの戦いを見守る杏子ちゃん。いつの間にか杏子ちゃんがこの作品の良心のような存在になってる。さやかが苦戦しているように見えた瞬間、迷わず助けに入ろうとするあたりも、杏子の優しさが感じられます。
ただ、さやかが手こずっているように見えたのは、実はキュゥべえが言っていた「その気になれば痛みを完全に遮断する」ことを実践していたからだったようです…。
さやか「あははは、ホントだ。その気になれば痛みなんて…あはは。完全に消しちゃえるんだ」
完全に壊れてしまったさやか…。
仕方ないと言うのもおかしいけれど、直近ののさやかに対する追い打ち具合は尋常じゃなかったからね。どこで歯車が狂ってしまったんだろう…そんな気持ちになる、切なくてやるせない終わり方でした。
感想
いやぁ・・・本当にどこまでも人の心を折ってくる作品ですね(これ、最大限の褒め言葉です)。
さやかに対する徹底的な不幸の展開があまりにも過ぎて、「可哀想」の一言では片付けられない域に達してしまった感があります。
さっきも言ったけど、本当にどこで歯車が狂ってしまったんでしょうか。マミさんが◯んだところ?恭介を救うために願いを使ったところ?QBがまどかの才能について話したところ?魔法少女の残酷な真実を知ってしまったところ?たぶん全てが繋がって、徐々に徐々にさやかの心を蝕んでいった結果なのでしょうね。
さやかがどんどん壊れていく一方で、杏子はだんだん良心になっていくのがまた印象的で、対比が鮮やかでした。杏子はさやかに歩み寄ろうとするけど、もはやその言葉は届かず、さやかにはもう手遅れという感じですが…。
ラストまで残り5話。ここからどう展開していくのか、期待半分、恐怖半分です。
それででは今回はこんなところで、次回に続きます!