ゲーアニノオト

*ゲームとアニメがもっと好きになる*

【プレイ感想】ライザのアトリエ1 〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜【ネタバレ無しレビュー】

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

はじめに

遅ばせながら「ライザのアトリエ〜常闇の女王と秘密の隠れ家〜」(1作目)をプレイしました。
アトリエシリーズはこれまでにアーランド、黄昏、不思議シリーズなど(あとネルケも)をプレイしていて、個人的にかなり好きなシリーズですが、ライザはなんか方向性が変わりすぎてちょっとスルーしてたのですが、なんだかんだシリーズで一番売れてるし、もうすぐ新シリーズの「ユミアのアトリエ」も出るし気になるしで、今回プレイシてみることにしました。
結論としては、細かい不便さや粗があれどもトータルとしてはめちゃめちゃ面白く、ハマりました。アトリエシリーズの進化も感じましたね。
この記事では、プレイした感想などをまとめていこうかなと思います。ネタバレ無しなので、未プレイの方も是非ご覧になって参考にしてもらえればと思います。

ひと夏の青春感やジュブナイル感を味わえるストーリー

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

退屈な島での平凡な日常を嫌うライザが、錬金術と出会い、仲間たちと共に冒険し、成長していく――そんな物語。ストーリーの本筋としては、かつて栄華を極めたクリント王国、異界の大型生物「フィルフサ」、そして島に隠された謎へと迫る展開があり、要所要所でしっかり盛り上げてくれる構成になっています。

そこまで凝ったストーリーテリングなどはありませんが、シンプルながらも青春感が存分に味わえて「なんか心地が良い」と感じられる。「これこそがアトリエだ!」ってあらためて再確認できます。

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

ジュブナイル感に溢れたキャラクター描写も魅力的で、例えば、退屈な日常を嫌って少しだけ大人の目の届かないところに冒険に出かけるライザたちや、人前でフルートを吹くのを恥ずかしがるクラウディアなど、等身大の登場人物たちが丁寧に描かれています。「自分も小さい頃こうだったな」って青春を追体験しているような気持ちになれます。ネタバレになってしまうのであまり詳しくは書けませんが、エンディング前後でのライザの表情や行動から彼女の成長をひしひしと伝わり、感慨深いものがありました。
エンディング自体も綺麗にまとまっていて、終えた後もすごく余韻に浸れる仕上がりとなっています。

アトリエシリーズでは珍しいリアルタイムバトル

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

戦闘システムはアトリエシリーズでは珍しいリアルタイムバトル
操作キャラを切り替えながら戦い、味方からの行動提案で発動する「オーダースキル」が絶妙な忙しさを生み出しつつ、「仲間と協力している感」が強く味わえるのが特徴的。ボス戦ではリアルタイムならではの緊張感があり、手に汗握るシーンも。

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

調合アイテムを使う際の制約となる「コアアイテム」システムも秀逸で、バランスが取れています。あと、使っても無くならないのは画期的ですね。従来シリーズだと消費されてしまうので、勿体なくて使い控えが発生したりするので。
また、APシステムもシンプルながら戦略性が生まれていると思います。タクティクスレベルを上げるか、相手の強力な技に対してエクストラオーダー用にAPを温存するかなど、使いどころを巡る駆け引きが楽しい要素でした。
オーダースキルについては、演出尺の割に大して強くないのと、「そんな行動できんわ!」という無理オーダー出されることも多いので、そこだけ微妙でしたが…!

なお、敵の強さについては、最初から選べる最大難易度「HARD」でもちょうど良いか、少しぬるいかぐらいの塩梅でした。序盤の方の難関「ロックパペット」とラスボスの2箇所で軽く詰まったぐらいですかね。それでも錬金を見直せばサッと倒せた程度なので、そこまで難しくなかったです。NORMAL以下は恐らく歯ごたえなさ過ぎてつまらなくなるので、初見HARDがおすすめです。

中毒性の高いマテリアル環による調合システム

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

お馴染みの錬金術クラフトシステムですが、本作では「マテリアル環」という輪っかのようなものに素材を投入し、素材の持つ属性値などを満たすことで、ツリー状に広がっていく仕組みになっています。(言語化難しい調合システムw)
最初は「なんだこれ?」と戸惑ったものの、これがなかなか中毒性があって、とても面白い!(アトリエシリーズの調合システムを考えている人、本当に天才だと思います)

錬金Lvが上がることで投入可能数が増えたり、マテリアル環の枠がどんどん解放されたりして、新たな可能性が広がっていく感覚はとてもワクワクします。
また本作ではレシピをアイテムとして入手する機会が少なく、「レシピ変化」を駆使して作れるものを増やしていく仕組みが特徴的ですね。この方法はシリーズの中でも珍しく感じます。自分の工夫や努力次第でどんどん新しいものが作れる楽しさがあります。
従来シリーズのような「ザ・師匠」の存在がいないライザが独学で錬金術の道を切り開いていくという設定にもマッチしてると感じました(一応アンペルさんが師匠ポジションだとは思いますが、放任主義ですしねw)

便利で画期的な「アイテムリビルド」

今回の錬金術システムで注目したいもう一つのポイントが「アイテムリビルド」です。一度完成させたアイテムに追加で材料を投入して強化できる仕組み。途中から手を加えられることで、最初に少し雑に作ってしまっても後から取り返せる点がとても便利です。もちろん、完全にやり直しが不要になるわけではありませんが、「後からどうにかなる」という気軽さが敷居をグッと下げているように感じます。ライザで新規プレイヤーが増えたという話をよく聞きますが、こういった不便さを解消する工夫は、まさに新しい層を取り込む狙いだったのかもしれませんね。

進化したフィールドグラフィックと「探索したくなる」マップ

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

フィールドグラフィックは、これまでのアトリエシリーズから格段に進化していると思います。オープンワールドではないので見た目ほど自由にあちこち行けるわけではないものの、鮮やかで美しいグラフィックが世界観や空気感をしっかりと伝えてくれます。

歩いているだけで自然に「向こうも探索してみたい」と思わせるような視線誘導の工夫がマップ全体に施されている点も印象的でした。
ちょっとした段差でひっかかったりといった移動時にストレスを感じる場面も多少あり、ここはまだまだ要改善だなという点はありましたが、総合的に良い仕上がりだなと感じました。

採取道具によるフィールド探索、採取の広がり

「採取道具」を調合して作ることで、行ける場所や採取できるものがどんどん広がっていく仕組み。調合システムと3Dフィールドの相性ってめちゃくちゃ良いなっていうのをあらためて感じます。よくある「用意されたアイテムを拾う」ゲームではなく、自分で道具を「作る」ことがフィールド攻略の鍵になっているのが、この作品の大きな魅力。さらに、調合の工夫次第で道具の効果が強化され、より多くの可能性を引き出せる点もやり込み要素として非常に面白いです。

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

例えば、↑の「風の精の靴」は、普通に作ると少し移動速度が上がるだけのアイテムですが、効果を発動していくことで飛び石を飛べるようになったり、つむじ風に乗ったりできるようになっていきます。「行ける範囲が増えていく」というのはシンプルにテンション上がるポイントですね。
アイテムを作った後に再び以前訪れたマップを探索すると、以前は到達できなかった場所にアクセスできるようになる仕掛けが楽しいです。
ただ、こういった探索道具はそこまで多くなかったので、もう少し種類豊富に用意されていたらより楽しくなりそうには感じました。(そこらへんは2で追加されてるのかな?)

気になりポイント

ここまで挙げたように良い部分がたくさんある本作ですが、同時に粗が目立つ部分もかなり多かったです。特に気になりポイントとして大きかったのを3つ+α挙げてみます。

① 序盤の不便さ/マップ関連の使いにくさ

ゲームが進むにつれてさまざまな便利機能が解放され、気にならなくなっていくのですが、それまでの間、あまりにも不便すぎるんじゃね?という点は結構ありました。

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

例えば、メモリーマップによるファストトラベルが解放されるまでの移動。一応、街の掲示板を使ってワープすることができるのですが、アトリエ(ライザの家)から直接アクセスできないため、いちいち家の外に出て掲示板にアクセスする必要があったのは結構ダルかったです。
あと、そもそも掲示板で選択できる場所の名前がマップに書いていなかったりするので、「農場方面」とか「岬の前」とか文字だけ出てきてもわからんのですよ。FF14等みたいにマップを同時に表示してリンクさせるぐらいしてほしかった。

↑FF14mのテレポ © SQUARE ENIX All rights reserved.

マップに関しては、そもそもカーソルとか使わせてくれって感じでしたね。拡縮と左右移動しかなくて、最低限の機能も足りてない印象は受けました。勿体ない。

② モブキャラのアセットやボイス関連の手抜きさ

主要キャラの3Dモデルやモーションなどのクオリティは文句のつけようが無いですが、その分モブの作り込みが酷かったですね。ライザの両親とか、フェイシャルのパターンがほぼ無く、&動きも皆無でまるで機械のよう。没入感一気に削がれてしまいました。

©コーエーテクモゲームス All rights reserved.

また、機能NPCのボイス関連も残念です。たとえば、雑貨屋のフレッサに話しかけたとき、ライザが「何にしよっかなぁ」と呟く一言はありますが、店員は完全に無言。まるでマネキンに向かって話しているような感覚になります……汎用的な機能NPCボイスを入れるぐらいなら、大したコストではないはずなのに、どうしてそこケチっちゃったのかなぁという感じ。

③ 日数システム等が無い点

これは賛否両論ありそう&ライザだけに言えたことでなく、最近のアトリエだとむしろ無い方が主流になっていますが、個人的にはこのタイムマネジメントこそアトリエシリーズの面白さだと思ってるので少し残念でした。
時間かければいくらでも採取も調合もできるので、カジュアル向けといえばそうですが、過去アトリエが好きな勢としては物足りなさを感じますね。

④ その他

敵のバリエーションが少ない

なんでこんなに少ないんや!ってぐらい気になりました。(裏ボスの大精霊たちがボイスもモーションも完全使いまわしなところなど)まぁただ、これがゲームの面白さに大きな影響を与えるものではないので妥協点として許せますが。

カットシーンのシネマスコープ風の帯

雰囲気は出ててすごく良いんですが、そのおかげでせっかく作り込まれた美しい背景グラフィックが狭く感じてしまうのは、少し勿体ない印象を受けました。

総評

おすすめ度85点!
バトル良し、調合良し、フィールド探索良しで文句なしに良い作品だと思います。
序盤こそ不便さや粗が目立ってしまう部分が多いですが、ゲーム進めていくにつれてそんなマイナスポイントを補って余りあるほどの魅力が見えてきます。
あらためてアトリエシリーズのポテンシャルの高さを感じました。

ストーリーやキャラたちの今後の展開もすごく気になるので、時間があれば2、3もプレイしたいなぁ思います!

▼こちらの記事もどうぞ

yuuki65.hatenablog.com