今週も、原作未読勢による株式会社マジルミエアニメの感想&考察始めていきます!
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ピンチのニコ
ニコ「応えなきゃ…応えなきゃ…動かない…動かない!ムチャだったんだ。開発魔法が多すぎた。まだ変異は増えているのに…このままじゃみんなが!」
ニコ「どうしよう… どうしよう…どうしよう!」
前回の終盤、ニコが会社とは異なるスペックのPCでありながら同じ勢いで魔法を開発した結果、負荷がかかりシステムトラブルが発生。怪異が増殖し、対応が遅れると会場全体が危機に陥るめちゃめちゃピンチな状況…からの続きです。
そんな切羽詰まった状況でのニコの「どうしよう…」というつぶやきから、見事に社長の「どうしよう」へリンク!そこから華麗に過去シーンへと繋がる演出が素敵。
数年前のマジルミエ
重本浩司「どうしよう…」
翠川みどりかわ「どうしましたか?次の服の構想ですか?甘い物ですか?エアコンの設定ですか?」
重本社長「全部そうだが、今の“どうしよう”はエンジニアの採用だ。」
翠川「ああ…応募は来てますけどねぇ。やっぱポートフォリオがネックですか。」
ちょっと、重本社長のこの髪型と服装かわいすぎんですか。
この姿の社長は前回でもちらっと映りましたね。個人的にこっちのほうが好き。
一方で、翠川さんと越谷さんは今とあまり変わらないですね。
見た感じ、そこまで昔というわけではなく、数年前ぐらいなのかなぁ?
重本社長「そうだな。みんな良い技術者だが、変態的な愛情が足りん。」
重本社長「社会性と変態性は両立しうる。」
翠川「しますね!」
越谷「めっちゃする!」
来ました。マジルミエ名物、重本社長の名言。今回も炸裂!
意味不明なことを真面目で語る重本社長と、それに普通に同意する翠川さんと越谷さん。なんだこの会社w
でも確かに「変態的なこだわり」は仕事において重要だったりしますよね。特にクリエイティブな領域だと尚更。
私が働いているようなゲームスタジオなんかも最たる例で、そういう"変な人"ほど尖った発想や実績を出して活躍してるまであります。とはいえ、社会性と変態性を両立できる人って意外と少ないんですですけどね。
若かりしニコ
二子山「出来た!これで正しいはずだ!先週の「ミラクルモモ」の再現新作魔法、「ゴッデスモモフラッシュ!」出力調整が難しかったけど、この形なら…」
ここにいました。変態的な愛情を持った技術者が。
めちゃめちゃ熱く魔法作りに没頭中の学生時代のニコ。髪が少し短くて幼い。
ニコ「魔法作りは僕にとって自己満足の趣味だ。高校のときに催された魔法プログラミングコンクール。どんなテストや勉強よりも僕はそのコンクールに熱心だった。ため込んだ知識も温めていた理想も 全部注いだ。学校の誰よりも魔法が好きという自信もあった。だから僕は自分の落選が信じられなかった。自分の正しさを資料の正当性を説く僕に、友人は言った。"こだわり過ぎだよ、二子山。魔法は所詮ただの道具。普通はそんなにやらない"と。」
…そうなのか?人類を危険にさらす怪異が存在していて、そのための魔法の開発や魔法少女が職業にまでに発展しているこの世界で、「ただの道具」ってことはないのでは…?それで救われてる命もあれば、それでご飯を食べてる人達だっているわけで…この友人の言い分には疑問。(え、それともこの時代はまだ怪異とかいなかったとか…?それは深読みしすぎか?)
ニコ「ショックだった。僕の作る魔法は他人にとってなんの価値もなかったと思い知らされた。熱い思いが急に恥ずかしくなって、人前で魔法のことを話すのも嫌になった。大学では、周囲に魔法が趣味だということはひた隠しにした。1人で楽しんでいればそれでいい。4年目の春を迎え、将来と向き合い分かった。僕は好きなことを仕事にできない。もし大好きな魔法を仕事にしたら一生不安が付きまとう。また否定されるかもしれない。また笑われるかもしれない。ビクビクしながら働くだなんて、そんなことになったらきっと僕は…魔法作りが嫌いになってしまう。」
ニコ、コンクールの落選を大学4年間もずっと引きずってたんですね…。
さすがにネガティブすぎでは?って思うけど、それだけ本気だったのでしょう。
落ち込むぐらいならもっと他のコンクールとかバンバン受けちゃえば良かったのに。勿体ない。
ともあれ、その一件が原因で大学でもずっと一人ぼっちで、今の人見知りにも繋がってるのが切ないところ。
ところで、「好きなことを仕事にする恐怖」についてはなんとなくわかる気もします。自分が「これが良い!」って思って作ったものを否定されてしまうのはなかなかメンタルに来ますからね。(それでも続けてしまうのですが…)
マジルミエからのスカウト
重本社長「君の考案した魔法はコンテストのレギュレーションから外れていた。だが目をみはるものがあった。それに加え魔法陣構成や魔法少女の制服、杖のデザインに詠唱の言葉。そのほかのツールも多岐によく考え抜かれている。うちはそういうこだわりのある人材が欲しい。だから 君に会いに来たんだが…」
めちゃめちゃニコのことを評価している重本社長の熱すぎるメッセージ。どれだけ調べ上げたんだろう。これは泣かせますねぇ…!
対してニコは「だめです、魔法業界には入りません」って拒否するけど、きっと内心は頑張りが人に評価されてすごく嬉しかったんだろうなぁって感じます。
重本社長「仕事になれば批評は受ける。だが批評だけではない近い人間からの評価も得られる」
二子山「評価…何が違うんですか?」
重本社長「批評は一方的なもの、評価はつながるためのものだ。仲間と評価し合えば自らの強みも弱みも見えてくる。そして見えた弱い部分は別の人間が埋めればいい。それが会社で、それが仕事だ。外部からの批評ではなく正しい評価をし合う仲間として働いてほしい。1人で戦わないで我々の仲間になってくれ。」
社長の名言(本日2回目)来た!今回はペースが早いですね。
しかも、またしても胸に刺さる内容。本当にこういう話をさらっとできるのが社長の器なんですよね。私のような一般人の底辺とは根本的に視座が違うのでしょう…(遠い目)
この説得を経て、ニコはマジルミエに入社を決めたようですね。
それにしても、ここまでガッツリした過去の掘り下げは作中初めてですね。
ニコのバックボーンが明らかになることで深みが増してくるので大好物です。
ニコの決意
二子山「そうだ…僕はもう魔法業界にいるんだ!1人で戦うんじゃない。仲間と戦う。そう決めたじゃないか!」
回想はここまで!
ニコは社長からスカウトのときにもらった言葉を思い出して、人見知りの殻を破ります。
ニコ「あ… あの…て、手伝っていただけますか?」
及川「手伝う?」
ニコ「マシンの処理速度が、落ちていて…ピンチなんです!お願いします!」
前回、極度な人見知りを発揮して越谷さんの後ろに隠れてたニコが、今回は一瞬戸惑いながらもちゃんと助けを仰げました。成長だ!
このあと3人が無言で去っていくのはなかなかシュールな絵面でしたが、なんとPCを持ってきてくれました。
ニコ率いるエンジニアチーム、指導!
柏呑「要件定義 まとめました!」
及川「定義書は省略落とし込みます!」
横出「ベース魔法陣 描画開始!」
ニコ「5ギガマジ以内にお願いします!ライブラリ使ってください」
即席チームなのにこの連携力の凄まじさ!プログラムを通して心が通じ合ってるような動きが見事です。みんなが魔法もプログラミングも心から好きなんだなぁっていうのが伝わってきます。
ニコがふと現実に帰り、全員を見回して過去を思い出すシーンもエモい。同じ気持ちを持つ仲間がこんなにもいることが純粋に嬉しい、そんな表情でした。
魔法完成
カナ・越谷「業務実行!」
…というわけであっというまに魔法は完成。植物怪異にブチ込みます。
魔法さえ出来てしまえば一瞬です。あっさりと納品の流れ。
柏呑「でさ… 仲間のよしみで教えてほしいんだけど。あのミドルウェアどこ製?いくら?」
横出「待ておい!俺も聞く!」
ニコ「いえ、そんな…あれは普通にうちの社長が作ったんですよ」
柏呑「えっ!」
横出「個人が?」
一段落ついたところで、柏呑さんにと横出さんがニコに質問攻めw
相変わらず魔法ヲタクっぷりが炸裂してる二人。
そんな二人を驚かせるミドルウェアを個人で作る重本社長の凄まじさですよ。
翠川「無事終わって ホッとしましたね」
二子山「あっ 社長!」
柏呑・横出「社長!?」
柏呑「横出… 俺…なんか フリフリのおっさんが見えるんだが…」
横出「うん… 俺も見えるデスマーチで見た幻みたいなやつ」
ちょうど良いタイミングで戻ってきた重本社長と翠川さん。
たしかにもう慣れちゃったけど、あらためてこの姿を初見で見たらそういう反応になるよね…w
重本社長「そうか、手伝ってもらえたのか」
ニコ「はい、助かりました!」
重本社長「協力ができたんだな」
ニコ「はい!入社するときの社長の言葉を思い出したんです」
重本社長「うう…尊い…昇給!」
待って、社長かわいすぎかw「尊い」はこっちの台詞ですわ。この二人の会話が尊すぎるw
社長は、ニコが人見知りであることを「会社としては」問題ないと言っていたけど、それとは別に「ニコ自身として」は心配はしていたんでしょうね。そんなニコ自身が純粋に成長した姿を見て、親親のような気持ちで喜んでいるんでしょうね。
こうして、まさに「社会性と変態性を兼ね揃えた技術者」が生まれたわけです。
カナ「あっ、二子山さん」
越谷「フフッ」
ニコの成長を喜んでるのは社長だけではなく…。ここの越谷さんの優しさを感じられる表情がほんといい。その後にカナちにもさりげなくフォローするのもほんといい。
いや~こんな良い人ばかりの会社?ある??
カナ「二子山さんは自分の実力で憧れの人と仲間になれたんだ」
越谷「カナち、あんまり気負い過ぎんなよ。まだ新人なんだからさ全部ができる必要ねえべ」
古賀社長現る
古賀社長「やあ 重本君」
唐突に現れる古賀社長!そろそろ重本社長と再会シーンくるかとは思ってたけど、それにしても不意打ちを食らいました。
古賀「いい魔法少女だねこの子たち いくら?新卒はコスト低いもんね。得したでしょ?僕なら年収今の倍出すけどどう?いい会社でキャリア積みたいでしょ?」
目の前で堂々とヘッドハンティングしようとするのヤバすぎるでしょこの人w
怪異騒ぎには一切協力しなかったくせに良いとこに出てきてこのムーブはもう笑うしかない。
まぁ、どこまで本気かわからないというか、重本社長の前だからこそあえてこういう行動を取ってるんだろうなぁと思いますね。めちゃめちゃ意識してそう。
古賀社長「じゃあ美学でご飯食べてるの?さすが重本君、好きだねえ搾取が」
越谷「お前! 社長ちゃんを…
重本社長「いい、越谷。俺はいいんだ。古賀、久しぶりだな。うちの魔法少女を評価してくれてありがたいがヘッドハントは遠慮願う。
古賀社長「評価したわけじゃないさ、経営上の対策だよ。君の会社に続かれるとウザいし金出すだけでリスク回避できるなら安い買い物だよ。
重本社長は大人の対応。好感度が雲泥の差。
それにしても、カナちや越谷さんを魔法少女として評価してるとかじゃなくて、マジルミエを妨害するために引き抜こうとしてるいう。黒すぎるw
柏呑「古賀社長… あんな人だったか?」
横出「いや… なんか雰囲気違うよなあんな目の前でケンカ売るような…」
やっぱり、これは重本社長への宣戦布告みたいな感じのようですね。
以前TVに出てたときも表面は良かったし、人前でこんな本性出すってぐらい、重本社長を意識してるんだろう。二人の溝は相当深そう。
重本社長「古賀。このままでは15年前と同じことが起こる。やはり一緒に仕事をしないか?」
!!?
いきなり切り込んできた重本社長。
そして、この一文に情報量が詰め込まれ過ぎてる。
15年前!?「やはり」ってことは以前も重本社長から一緒に仕事をしようという誘いがあったってこと?どういうことなんだ!
古賀社長「何言ってんの…?重本君。
古賀社長「君って本当、面白気持ち悪いね!社員がもうかわいそうだよ!」
重本社長「いつでも待つ。また話そう」
こんな動揺する古賀社長は初めて見ますね。「社員がかわいそう」ってどういう意味なんだ!?
15年前に起こった「何か」によって古賀社長はこんな性格になってしまったんですかね~。いきなり考察が膨らみそうなワードがバンバン出てきましたね。
真相に迫ろうとする及川さん
及川「重本さんはもしかして今回の事故の原因を既に理解しているんじゃないですか?植物怪異の変異テストは珍しくない。現に僕らもこれまで何度もプレゼンしました。しかし今回は変異は止まらずあんなに激しい変異状態なんて見たことなかった。
でも御社は社内技術も魔法構築法もそれどころか社員さんの動き1つ1つまでまるで今回の事故を想定したような正確さだった。問題があったのはマシンスペックだけ。変異というここ最近の現象を知り尽くしていなければ、こんな対応できるはずがない…
御社はどういう会社なんですか?」
めちゃめちゃ重本社長に聴きまくる及川さん。
うんうん、その通り!マジルミエはどういう会社なんですか!?
…ってのは置いておいて、変異怪異について一般的に業界内に知られてる情報よりも重本社長が知ってる情報の方が圧倒的に多そうですね。ほんとに何者なんでしょうかこの人は…
重本社長「恐らく今回の怪異は講演ブース隣の実演魔法の魔力干渉およびEXPO全体の魔力濃度が引き金になったのでしょう」
及川さん「強い魔力が怪異の変異を増長させたと?」
重本社長「ええ。技術者なら それは耳にしたことがありますよね」
及川さん「でも… それは 殺虫剤が逆に虫を強くするというレベルの話です!今回の変異は大きすぎます!」
重本社長「そういうことですよ。大きすぎる魔法は変異を更に強くするんです。」
前回私、「トイレ近いからトイレ絡み?植物だから水を吸って大きくなる的な?」みたいな安直なこと言いましたが、全然関係なかったw恥ずかしいw
つまり、強い魔力が強い怪異を生み、その怪異を倒すためにさらに強い魔法が開発される――まさにイタチごっこですね。そして、それがピークに向かっているような緊張感が漂っています。
重本社長があえてベンチャーで活動し、大規模な開発力を使った「強い魔法作り」を避けているのも、こういった背景が理由なのかもしれませんね。
感想
今回も見応えたっぷりでしたね!
前半はニコの過去回想からの成長ぶりを見せるほっこりシーン、後半は古賀社長の登場で怒涛の展開。
いよいよ再会を果たした重本社長と古賀社長。二人の過去がめっちゃ気になる回でもありました。
「15年前」というワードが出た瞬間の古賀社長の動揺から察するに、その出来事が彼の「非道×効率主義」な現在の思想を作り出した背景にあるのかもしれませんねぇ。
今でこそ完全に“悪役”なポジションの古賀社長ですが、それに至るまでの話やらが絶対にありそうな感じです。
そして、これから訪れるであろう大きな危機も気になりますね。「大きすぎる魔法は変異をさらに強くする」という皮肉な現実。解決策はあるのだろうか。まだまだ謎が多すぎですね。
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