はじめに
先日、TVアニメ「Just Because!」の放送が終わりました。
台詞に頼らず、音楽や美術、表情の繊細な変化といった"アニメというメディアの
所"を最大限活用した表現など、すごくしっかりと作られていて、考察しがいのある素晴らしい作品でした。
本ブログでは1話ずつ感想や考察を書いていましたが、そこで触れられなかった事柄について、自分なりの解釈を書いていこうと思います。合わせて、1話ごとの記事もぜひお読みいただけると幸いです。
タイトル「Just Because!」の意味と本作のメッセージ性
「Just Because!」というタイトルの意味は何だったのでしょうか。
・・・っていうテーマで書こうと思ったのですが、公式にほぼ正解がありましたね。(笑)
学の頃に一度は遠くの街へと引っ越した同級生。
季節外れの転校生との再会は、
「なんとなく」で終わろうとしていた彼らの気持ちに、
小さなスタートの合図を響かせた。
引用:http://justbecause.jp/#intro
「なんとなく」これですね。
タイトルにしてはすごく曖昧なワードというか、変わっていますよね。(笑)
この「なんとなく」を、もう少しだけ掘り下げてみたいと思います。
"「なんとなく」で終わろうとしていた彼ら"が指す人物には、相馬陽斗(葉月への想いを打ち明けられずに終わろうとしていた)や、森川葉月(大好きだった吹奏楽を続けることを諦めようとしていた)等、おそらく全登場人物が含まれていると思います。
ただ、もっとも当てはまるのが本作品の真ヒロイン、夏目美緒だと、私は考えています。
物語の序盤では、美緒は自らの意思を持たず、ただ、なんとなく姉と同じ生徒会長をやって、ただ、なんとなく姉と大学を受験しようとしていました。
"自分の意思"や"本気になれるもの"を持っていない状態。それに疑問すら持っていませんでした。
瑛太「夏目が被写体になれば?」
美緒「私は……無理。こんな瞬間私の予定にない。」
一方、"本気になれるもの"を持っている小宮恵那や泉瑛太と触れ合うことで、自分だけそういったものを持っていないという事に気づき、焦りを感じ始めました。
その後は葛藤が続きましたが、最終的に見つけることができました。
それは、"瑛太への想い"。
こうして、"なんとなく"で終わらせなかった美緒は、本作の最後で瑛太との未来を手に入れます。
あなたの身の回りでも、"なんとなくで終わらせてしまった過去"や"なんとなく習慣付いてしまっていること"はありませんか?
"なんとなく"を放置せず、その先に進むことができれば、人間は一段成長する。
これが本作から学ぶ最も重要なメッセージだと、私は思います。
サブタイトル「あいつを好きな君の横顔が、たまらなく綺麗だったから―」
次にサブタイトルに対する考察です。
このサブタイトル、最初は"瑛太が「陽斗の事が好きな美緒」を好き"という意味だと思っていたのですが、それだけではないことが、作品を追っていく過程でわかってきました。
作品中の登場人物の好意を連鎖的に書くと、
清水→恵那→瑛太→美緒→陽斗→葉月
※美緒→陽斗のところは実際本当の好意ではないかもしれないですが、瑛太目線だと、本当の好意に見えます。
こうなります。(清水だけ主要キャラじゃないのが悲しい)
面白いですよね。人間というものは尊いものを追ってしまう生き物なのです。
本作品の本当の楽しみ方は、主人公の瑛太とヒロインの美緒だけではなく、それぞれの登場人物の目線で見ることだとあらためて思いました。まさに群像劇。