
「夢の中に入って事件を捜査するSFミステリーアドベンチャーゲーム」
2019年にスパイク・チュンソフトから発売されたミステリー系アドベンチャーゲーム。
シナリオは『極限脱出(Zero Escape)シリーズ』で有名な打越鋼太郎が担当している。
キャラクターデザインはコザキユースケ氏。
少し前にSteamでセールされていたのが目に止まり、プレイしてみたのでまとめ&感想などを書いていく。プレイ時間は真ENDまでやって20時間程度でした。
概要
ジャンル:推理アドベンチャー
発売:2019年
開発:スパイク・チュンソフト
主なプラットフォーム:Switch / PS4 / PC / Xbox
プレイヤーは警察の特殊捜査官となり、AIの相棒と協力して猟奇連続殺人事件を解決していく。最大の特徴は「人の夢の中に入って捜査する」というシステム。
物語
舞台は近未来の東京。
遊園地で「左目をくり抜かれた女性の死体」が発見される。主人公の警察官伊達 鍵(だて かなめ)は事件を捜査する。
しかし事件は奇妙で、関係者の証言だけでは真相にたどり着けない。そこで伊達は人の脳に接続して夢の世界(ソムニウム)に入り記憶を調べるという特殊捜査を行う。
この夢の世界から手がかりを集め、複雑に絡み合う事件の真相に迫っていく。
引き込まれるストーリーテリング
ストーリーテリングが非常に能動的でテンポが良く、グイグイ引き込まれた。シンプル面白い。序盤は伏線ばかりでかなり謎だらけだが、後半に向けて怒涛に伏線が回収されていき、大きなカタルシスを感じられる物語設計は、とても良くできていて、それだけでアドベンチャーゲームとしてとても評価が高い。
シンプルに得た情報から「証拠を突きつける」シーンはやっぱ面白いなと思う。 ソムニウムパートで徐々に真実を知っていく展開もアツい。応太ソムニウムでお母さんの包丁が出てくるシーンや、89号ソムニウムでボスが出てくるシーンなど、感情を大きく揺さぶる演出が光っていた。
ルートロックのプレイ感
ただ、ルートロックのシステムには少し気になるところもある。遊び方にもよると思うが、一定まで進むとロックがかかり、ルートの分岐地点に大きく戻って別ルートを進行する必要がある。この時に、「この前後ってどういう展開だったか」「この時系列の伊達はどこまで情報を知っているんだっけ」とわからなくなることが多々あった。
いうなれば、昔読んだ漫画を途中の中途半端な巻数から読み直した時のような「気持ち悪さ」?(ちょっと違うか・・・)複雑なシナリオ分岐を採用しているゆえの宿命かもしれないが、情報を整理しながら読むのが少し大変だった。
みずきENDルートの感動と、最終決戦の「もったいなさ」
個別ルートの中でも、みずきENDルートは最高だった。ソムニウムパートでみずきと伊達の過去の回想になるシーンがほんとに良すぎる。伊達がめちゃくちゃ人格者で、思わず泣きそうになる。 ただ、それだけに最終決戦でしょうもない下ネタを入れてくるのはかなりもったいない・・・。シリアスな空気が一気に冷めてしまう瞬間があり、そこはどうしても気になってしまった。
ソムニウムパートは何故ダルいのか?
本作の肝でありながら、実際評判も悪く、自分もプレイしていて「ダルさ」を感じてしまったソムニウムパートについて。 なぜあんなにダルく感じるのか?理由は大きく5つあると思う。
1.テンポの悪さ
シンプルにアクションや演出が長く、テンポの悪さに繋がっている。スキップもできるが、滑りが良すぎて会話を飛ばしてしまったりして、微妙に使い勝手が悪い。
2.失敗した時のやり直し感
チェックポイント単位で戻ることはできるものの、すでに取り返しがつかないぐらい時間を消費している場合があり、救済システムとしては甘い。
3.全部見ることができないもどかしさ
失敗選択肢を引くと時間が間に合わなくなり、ゲームオーバーになる。ただ、物語を最大まで楽しむためには色々なリアクションを見たいという気持ちがあり、システムと完全に逆行している。
4.操作性の悪さ
3D空間だけどカメラが近くて「もうちょっと俯瞰したい」場面が多く、対象を調べる時になかなか選択されない。それで少し歩くごとに時間が減っていくシステムも相まって、時間をロスする仕組み自体が微妙なのかなと思う。
5.直感で正解がわからない
個人的に一番キツかったのがこれ。膨大な選択肢から正解を踏み抜く必要があるが、ヒントが無さすぎて、考えてもわからない(めちゃめちゃ考えたらわかるのか?実はヒントがあるのか?)。 ずっと霧の中を歩くような感覚。だから正解しても上手くやった感じがしないし、そもそも「失敗前提のゲームデザイン」になっている気がする。
まとめ
ソムニウムパートの仕様など不満点も熱く語ってしまったが、それは「ストーリーが抜群に面白い」からこそのもどかしさ。 システム面で惜しい部分は多々あるものの、それを補って余りあるほどの怒涛の伏線回収とアツい展開が詰まった、非常にやりごたえのある作品だった。