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「映画 けいおん!」感想&考察。”いつも通りの日常”がスペシャルに描かれた作品。【ネタバレ】

©かきふらい芳文社桜高軽音部Copyright/©1995-2024, Tokyo Broadcasting System Television, Inc. All Rights Reserved.

何度も見返すぐらい好きな作品。感想を記事にしたいと思います。
※当記事はネタバレを含みます。閲覧にはご注意ください。

 

どんな作品?

ざっくり感想を言うと、「"いつも通りの日常"がスペシャルに描かれた作品」という感じでしょうか。まさにけいおん!の集大成だなと思いました。

劇場化というとスケール感の感じるダイナミックな映像があったり、"いつもと違う"が全面に来る作品が多いじゃないですか。クレヨンしんちゃんだと急に異世界に行ったり、ドラえもんだとジャイアンが優しくなったり。
でも、本作品にはそういったダイナミックな展開はありません。
海外にはいきますが、基本はいつも通りです。
ただ、ちょっと違うことは、「いつもと違うこと」を、唯たちがやろうとすることです。
山田尚子監督もインタビューでもある通り、いつもどおりではないちょっとスペシャル感といつものけいおん!の雰囲気の両立がすごくバランスが取れている作品ですね。

とはいえ、最初は「お!なんだこれ!?」と思わせられましたね。

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この冒頭のシーンとか。いきなりヘビーメタルが始まった時は、「あれ、見る作品間違えたかな?」と思いました。(笑)(いやーでも、こういう放課後ティータイムも少し見てみたかった気もします。)

先輩4人から梓へ贈る物語

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あずにゃんに対して先輩としての威厳がないまま卒業するのを恐れて、「最後に先輩らしいことをしたい」と言う唯。
この辺りの描写からも分かりますが、本作は先輩4人からの目線で物語が進んでいきます。TV版の終盤は梓目線だったのと対照的ですね。

こうして、「梓のために何ができるか?」を考えるところからスタートします。
そして、梓のために曲をプレゼントすることになります。

スケールの大きなもの

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唯「それは先輩の作る曲だからね、バーンとして、ドーンとしてドカーン!!だよ!」

今までに無いスケールの大きな曲を作ろうとする4人。
この"スケールの大きな"が物語のポイントですよね。

本作の見どころであるもう一つの大きなポイントはロンドン旅行
これも"スケールの大きな"ものとして描かれたもう一つの要素です。

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旅行のシーンは、初めての海外旅行に行くときの新鮮さを感じましたね。
旅行に行く前のワクワク感だったり、初めての飛行機のドキドキだったり、なんだか懐かしい気持ちになりました。
旅行あるあるシーンも満載で(空港で荷物が来なかったり、新しい靴で擦れたり)実際に旅行に行っているような気分になれるところも良かったです。

海外旅行での気づき

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海外でのライブも見どころありましたね。
旅先で二回もライブできるなんて羨ましい限りです。
二回目の野外ライブでは「ごはんはおかず」の一部の歌詞を英語にして歌おうとしたり。カッコつけようとしていました。(笑)
とても上手とは言えませんでした、それでもお客さんは喜んでくれて。
そんな海外ライブを経て、唯は気づきます。

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「かっこつけなくていい、自分たちの曲で良いんだ」という事を。
いつも通りの曲を、梓にプレゼントしようと、4人の心はひとつとなります。

いつも通りのけいおん

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帰国後は教室で卒業ライブをします。
そうです。ここから"いつも通りのけいおん"に戻ります。

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やっぱりこれが一番ですね!
ここのシーンは本当に泣きました。「U&I」の歌詞がこのシーンともめちゃくちゃハマってるんです。改めて良い曲だなぁと思いました。

天使にふれたよ

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梓に曲をプレゼントする前日。
サビの歌詞の一部がしっくり来てない様子です。
この時点ではまだ今の歌詞と違ったんですね。

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唯「そっか。私たちに翼をくれたのは、あずにゃんなんだ。あずにゃんは、私たちを幸せにしてくれた、ちっちゃくて可愛い天使なんだよ。」

梓が自分たちに対してしてくれた事を振り返る中で"天使"というワードが生まれます。
こうして最後の1ピースがはまり、曲が完成。
(もうこのあたりはずっと号泣してましたw)

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そして、最後はお馴染みの部室でエンド。TV版と同じですね。
やっぱり最後はいつものけいおんで締めてくれるところは、製作側の愛を感じました。
演奏の舞台が、ロンドン市民→クラスメイト→梓と、どんどん日常になって戻っていくところが、この作品らしくてとっても好き。
というわけで、本当に本当に素晴らしい作品でした!
この作品を作られた山田監督並びに京都アニメーションの製作チームの皆様、本当に尊敬します。感動をありがとうございました!