先日、「さよならの朝に約束の花をかざろう」(略称:さよ朝)を見てきました。
これまで岡田麿里さんの作品は色々見てきましたが、特に「凪のあすから」や「花咲くいろは」などPA.Works作品がもう大好物で。
これまで岡田麿里さんの作品は色々見てきましたが、特に「凪のあすから」や「花咲くいろは」などPA.Works作品がもう大好物で。
今回もPA作品と知った時から、もうずっと公開を楽しみにしてたんですが、結果予想通り、いや、予想以上に素晴らしい作品!!だったので、今回記事にまとめようと思いました!
つたない文章で恐縮ですが、もし同じようにさよ朝を見て感動した方がいらっしゃいましたら一緒に振り返っていただけると幸いです。
※注 この記事はネタバレを盛大に含みます。まだ見ていない人は閲覧に十分にお気をつけください。
ストーリー総評
10代半ばで外見の成長が止まり数百年の寿命を持つイオルフという民族、レナトという古の巨大生物、そして醜い欲により争いを行おうとする人間たち。
すごく現実離れしていて、壮大なファンタジー作品ではあるんですけど、物語の一番大事な部分は、そういう外面よりもシンプルに「親子の愛」というもの。
非常に岡田麿里さんらしい作品でしたね。
マキアとエリアルの出会いから別れまでのエピソード一つ一つが全て美しく、温かく、そして儚い。開始から一瞬で引き込まれ、気づけば号泣していました。
また世界観に関して世間の評判では、「固有名詞が多くてわかりにくい」という評価も多かったですが、僕的にはこっちの方が好きですね。
まぁ確かに初見では難しいのはわかりますが、それだけ作り手の拘りを感じますし、
説明的すぎて簡単に伝わりすぎる世界観というのも、面白みがないと思います。
とはいえ私も前半はイオルフやらヒビオルやら何のこっちゃという感じだったので、
もう一回ちゃんと見たいと思っています(笑)
もう一回ちゃんと見たいと思っています(笑)
そういう意味でも、きっと2回目の方が楽しめる作品ですよね。
(追記:2024年に2回目見ました!ところどころ忘れてるところはありましたが、2回目の方が設定が理解しやすくてより一層面白く感じられました。そして、また泣きました笑。期間開けての2回目視聴は是非おすすめです!)
美術について
イオルフの幻想的な世界、人間たちの住む田舎の街並みやスチームパンクの街並みなど、美術面もこの作品の魅力の一つですよね。
私はもともと大ファンなのですが、この作品見てまた一段とファンになってしまいました。
物語の序盤で出てきたネモフィラの花畑。
一面青色で輝いていて、まるで凪あすの汐鹿生の世界を彷彿させますよね。
一面青色で輝いていて、まるで凪あすの汐鹿生の世界を彷彿させますよね。
最後にレナトに乗って空を飛ぶシーンも圧巻です。
暖色と寒色の使い分け方とか光と影の表現が、すごく東地さんらしいですよね。
壮大なファンタジーという舞台も、この美術があったからこそ表現できたといっても過言ではありません。
音楽について
壮大な世界観を多彩な音で彩っていたのは、劇伴担当の川井憲次さんでした。
サントラを聴いたのですが、クセになるというか、中毒性ありますよね。
この1週間、会社にいる時ずっと聞きながら仕事してしまっていますw
サントラを聴いたのですが、クセになるというか、中毒性ありますよね。
この1週間、会社にいる時ずっと聞きながら仕事してしまっていますw
そして何といっても、rionosさんの「ウィアートル」というメインテーマ。
美しくて切ないサウンドとrionosさんのウィスパーな声がすごく相性が良くて、すごく大好きな曲です。
演出表現について
軍に入隊したエリアルと別れてしまったマキアが髪がすっかり伸びて、ほとんど茶色い部分が残っていなかったところなど、時間経過の描写を台詞に頼らず雰囲気で感じさせる作風も印象的でした。
「エリアルの成長」がそのまま時間経過を表現しているところとか。こういう、映像作品としてのメリットを最大限に発揮する作風、すごく好きです。
「そして〇年後―」みたいなの出たら台無しですよね(笑)
「そして〇年後―」みたいなの出たら台無しですよね(笑)
マキア
個人的に、めんまやまなかってあまり好きではないタイプなんですが(好きな方ごめんなさい)、マキアは何故かすごく好きになれたんですよね。
マキアは頼りない外見とか雰囲気に似合わず、強烈な芯の強さがあるんですよね。
赤ん坊を見つけてすぐ「母親になる」なんて普通は決意できるものではないと思います。
でも、彼女自身一人ぼっちで育ってきたから、「エリアルを一人ぼっちにさせたくない」「同じ辛さを味わせたくない」という気持ちだったのでしょうね。
あとは彼女自身もこれ以上一人ぼっちでいたくない、という想いもあったのかもしれませんが。
優しくて、思いやりがあって、聖母のような風格すらありますよね。
そして、そんなマキアを演じる石見舞菜香さんの演技も素晴らしかったです。
まだまだ新人の声優さんだと思いますが、この大役を見事務めています。
最初は頼りない少女だったけど、母になると決めて、壁にぶつかりながらも頑張って大人になっていく。そんなキャラクターのリアルな成長って新人声優さんの方がリアルに表現できるからすごいですよね。キャスティングもナイスだったと思います。
エリアル
赤ん坊の頃にマキアに拾われ、物語の進行と共に成長していくキャラクター。
素直でやんちゃでまっすぐな幼少期。
マキアに対して恋心を抱いてしまう思春期。
軍に入ると決断をする青年期。
日々成長して行く彼を、マキアと同じ(親としての)目線で追いかけていた視聴者も多いのではないかと思います。
それだけに、徐々に親離れしてしまうところとか、最後の旅立ってしまうシーンとか、本当に泣かせにきます。
実の子ではないですが、自分の子供を看取るというのは、想像しただけですごく残酷です。
それなのに、エリアルの最後を目の前にして、マキアは決してその場では泣きませんでした。「母親は泣かない」と決めていたから。
そして家を出た後に、まるで堤防が切れてしまったかのように涙が溢れてきます。
けなげすぎる。
こんなの見たら泣くに決まってるやん!!(泣怒)
たった2時間の中で、エリアルの長い人生がすべて詰まっている。
映画を見ただけで人の一生を見たような、そんな不思議な感覚さえあります。
おわりに
ここまで見て頂きありがとうございます。
公開中の映画をレビューするのは初めてでしたが、難しいですね・・・。
公開中の映画をレビューするのは初めてでしたが、難しいですね・・・。
あと、映画って録画もできないですし、見返したりできないのがきついですね。TVアニメのレビューの難易度とはけた違い。精進します。
でも、この記事を書いていて、頭の中で色々なシーンを思い出す事ができました。
思い出しては泣き、PV見返しては泣き、泣いてばかりですがあらためて本当にいい映画だったなぁと改めて実感。