翌日の朝
アバンタイトル。マミさんが活躍するシーンが描かれます。単なる前回のダイジェストかな?と思いきや、またしても、まどかが夢の中の出来事でした。もしや夢オチ・・・?と見せかけますが、目の前にキュウベエの姿が。
彼は「おはよう」と語りかけ、夢ではないということが判明します。まどかは複雑な表情……
前日の回想
物語は前日の回想シーンへと移ります。第1話の一連の出来事の後、まどかとさやかはマミの家に招かれ、魔法少女についての説明を受けることになります。
キュゥベェと契約を交わすことで、どんな願い事でも1つ叶えることができるが、それと引き換えに「ソウルジェム」が生まれる、とのこと。
この石を手にした者は魔法少女となり、魔女と戦う宿命を背負うことになる。その戦いは常に死と隣り合わせであり、非常に危険であると説明されます。
マミ「ありがとう。キュウベエに選ばれた以上、あなた達にとっても他人事じゃないものね。ある程度の説明は必要かと思って。」
さやか「うんうん、何でも聞いてくれたまえ。」
まどか「さやかちゃん、それ逆。」
マミ「ふふ。」
まどか「わぁ、綺麗。」
マミ「これがソウルジェム。キュウベエに選ばれた女の子が、契約によって生み出す宝石よ。魔力の源でもあり、魔法少女である証でもあるの。」
さやか「契約って?」
キュウベエ「僕は、君たちの願い事を何でも一つ叶えてあげる。」
さやか「え、本当?」
まどか「願い事って?」
キュウベエ「なんだって構わない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ。」
さやか「うぅわ。金銀財宝とか、不老不死とか、満漢全席とか?」
まどか「いや、最後のはちょっと。」
キュウベエ「でも、それと引換に出来上がるのがソウルジェム。この石を手にした者は、魔女と戦う使命を課されるんだ。」
魔女とは?
続けて、「魔女」についての説明がされました。
魔女とは、呪いから生まれるもの。絶望を撒き散らし、人々に見えない形で不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみといった災いの種をもたらす。
原因不明の自殺や殺人事件の多くは、魔女の仕業である可能性が高いとのこと。
魔女は普段、結界の奥深くに潜んでおり、人前に姿を現すことはありません。まどかたちが迷い込んだ迷路のような場所が、その結界にあたります。
危険な場所であり、一度飲み込まれた人間が無事に帰還することは稀です。
さやか「魔女ってなんなの?魔法少女とは違うの。」
キュウベエ「願いから生まれるのが魔法少女だとするば、魔女は呪いから生まれた存在なんだ。魔法少女が希望を振りまくように、魔女は絶望を撒き散らす。しかもその姿は普通の人間には見えないからたちが悪い。不安や猜疑心、過剰な怒りや憎しみ、そういう災のタネを世界にもたらしているんだ。」
マミ「理由のはっきりしない自殺や殺人事件はかなりの確率で魔女の呪いが原因なのよ。形のない悪意となって人間を内側から蝕んでいくの。」
さやか「そんなヤバイ奴らがいるのに、どうして誰も気づかないの。」
キュウベエ「魔女は常に結界の奥に隠れ潜んで、決して人前には姿を表さないからね。さっき君たちが迷い込んだ、迷路のような場所がそうだよ。」
マミ「けっこう危ないところだったのよ。アレに飲み込まれた人間は普通は生きて帰れないから。」
まどか「マミさんはそんなこわいものと戦っているんですか。」
マミ「そう命がけよ。だからあなた達も慎重に選んだほうがいい。キュウベエに選ばれた貴方達にはどんな願いでも叶えられるチャンスがある。でもそれは死と隣り合わせなの。」
マミの提案
キュゥべえに選ばれたまどかとさやかは、魔法少女になるかどうか悩みますが、マミは二人に「しばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」と提案します。魔女との戦いがどのようなものであるかを実際に目の当たりにし、その上で危険を冒してまで叶えたい夢があるのか、しっかり考えてほしいといいます。こうして、まどかとさやかは、マミの手伝いをすることになりました。
マミ「そこで提案なのだけど、二人ともしばらく私の魔女退治に付き合ってみない。」
まどか・さやか「ええ。」
マミ「魔女との戦いがどういうものか、その目で確かめてみればいいわ。その上で、危険を冒してまで叶えたい願いがあるのかどうか、じっくり考えて見るべきだと思うの。」
頭の中での会話
翌日の登校中、まどかはさやかと仁美と会います。まどかの肩に乗っているキュゥべえに気づいたさやかは、驚いて慌てますが、仁美にはその姿が見えていません。キュゥべえがさやかに「おはよう」と挨拶を交わしたことで、彼の存在が他の人には見えず、声も聞こえていないことが改めて確認されます。
さらに、キュゥべえの力を借りて、まどかはさやかと頭の中で直接会話を始めます。魔法少女たちはキュゥべえの力によって、互いに思考を通じて会話ができるとのこと。さやかはキュゥべえに対し、学校に来てしまうと、ほむらに狙われる危険があるのではと指摘しますが、キュゥべえはマミもいるため、むしろ学校のほうが安全だと答えます。(ちなみに、マミも頭の中で会話ができ、会話に入ってくる)
さやか「つうかさ、あんた、のこのこ学校まで付いてきちゃって良かったの。」
キュウベエ「どうして。」
さやか「言ったでしょ。昨日のアイツ。このクラスの転校生だって。あんた命狙われてるんじゃないの。」
キュウベエ「むしろ学校のほうが安全だと思うな。マミもいるし。」
まどか「マミさんは3年生だから、クラスちょっと遠いよ。」
マミ「ご心配なく。話はちゃんと聞こえているわ。」
キュウベエ「この程度の距離なら、テレパシーの圏内だよ。」
まどか「あ、えっと、おはようございます。」
マミ「ちゃんと見守ってるから安心して。それにあの子だって人前で襲ってくるような真似はしないはずよ。」
ほむらについて
再び昨日のマミの家のシーンに戻ります。さやかは、マミやキュゥべえに対して、なぜほむらがまどかを狙っていたのかを尋ねます。それに対してキュゥべえは、ほむらが狙っていたのはキュゥべえ自身であり、新たな魔法少女が誕生するのを阻止しようとしていたのだと説明します。
マミもそれに乗っかり、魔法少女たちは魔女を倒すことで見返りがあるため、しばしば手柄を巡って競争が起こるのだと続けます。(この辺りの説明は完全にミスリード・・・)
さやか「あの転校生も、えっと、その、魔法少女なの?マミさんと同じ。」
マミ「そうね。間違いないわ。かなり強い力を持っているみたい。」
さやか「でもそれなら、魔女をやっつける正義の味方なんだよね。それがなんで、急にまどかを襲ったりしたわけ。」
キュウベエ「彼女が狙っていたのは僕だよ。新しい魔法少女が生まれることを阻止しようとしてたんだろうね。」
まどか「え。」
さやか「なんで。同じ敵と戦っているなら。仲間は多いほうが良いんじゃないの。」
マミ「それがそうでもないの。むしろ競争になることのほうが多いのよね。」
まどか「そんな、どうして。」
マミ「魔女を倒せばそれなりの見返りがあるの。だから時と場合によっては、手柄の取り合いになって、ぶつかることもあるのよね。」
さやか「つまりあいつは、キュウベエがまどかに声かけるって最初から目星を付けてて、それが朝からあんなに絡んできてたってわけ。」
マミ「たぶん、そういうことでしょうね。」
願い事について悩む二人
まどかとさやかは叶えたい願い事に全く思いつかない様子。命がけのリスクに対して引っかかりを感じているようで。(そりゃそうだ)
さやかは、自分たちが願い事を必要としないほど恵まれているのだと話し、「本当に不幸な人にこそ、こういうチャンスが与えられるべきだ」と、珍しく真剣な表情で語ります。
直後、入院中の白髪の少年(上条)が映し出されます。彼を思うさやかの気持ちが伝わり、彼女の気持ちが感じられるシーンですね……。
さやか「ねぇ、まどか。願い事、何か考えた。」
まどか「うーん。さやかちゃんは。」
さやか「私も全然。なんだかなぁ。いっくらでも思いつくと思ったんだけどなぁ。欲しいものも、やりたいことも、いっぱいあるけどさ、命がけってところで、やっぱ引っかかっちゃうよね。そうまでするほどのもんじゃねぇよなぁって。」
まどか「うん。」
キュウベエ「意外だなぁ。大抵の子は二つ返事なんだけど。」
さやか「まぁ、きっと、私たちがバカなんだよ。」
まどか「ふぇ、そうかな。」
さやか「そう、幸せバカ。別に珍しくなんか無いはずだよ。命と引換えにしてでも叶えたい望みって。そういうの抱えている人は世の中に大勢いるんじゃないのかな。だから、ソレが見つからない私たちって、その程度の不幸しか知らないってことじゃん。、恵まれすぎて馬鹿になっちゃっているんだよ。なんで、私たちなのかな。不公平だと思わない。こういうチャンスほんとうに欲しいと思っている人は他にいるはずなのにね。」
放課後、魔女の結界へ
前日に取り逃した魔女を追うべく、マミとまどかたちはソウルジェムが捉えた魔力の痕跡を辿り、廃病院のような場所にある魔女の結界へとたどり着きます。そこには、再び不気味で不安定な空間が広がり、魔女の使い魔たちが待ち構えていました。
結界の最深部へと進むと、ついに魔女が姿を現します。マミは華麗で優雅な動きで攻撃を繰り出し、まるで踊るように戦いを展開します。
少し危なげな場面もありましたが(先の展開を知っているだけにドキドキする)、ここでは大きな問題なく戦いを進めていきます。そして、マミは大きな銃からかの有名な必殺技「ティロ・フィナーレ」を放ち、見事に魔女を退治することに成功。魔女からグリーフシードを手に入れます。
グリーフシード
魔女が倒されると、「グリーフシード」と呼ばれる黒い種のようなものをドロップします。マミは、これが魔女の卵であり、魔女が時々持ち歩いているものであると説明します。さらに、魔法少女が魔女と戦うたびに、ソウルジェムは少しずつ曇っていくが、このグリーフシードを使えば曇りを吸収し、魔力を回復できると語ります。そして、実際に自分の消耗した魔力を回復させます。
マミ「これがグリーフシード。魔女の卵よ。」
さやか「た、卵。」
マミ「運がよければ時々魔女が持ち歩いていることがあるの。」
キュウベエ「大丈夫。その状態では安全だよ。むしろ役に立つ貴重なものだ。」
マミ「私のソウルジェム。夕べよりちょっと色が濁っているでしょ。」
さやか「そういえば。」
マミ「でも、グリーフシードを使えば、ほら。」
さやか・まどか「あ。」
さやか「綺麗になった。」
マミ「ね、これで消耗した私の魔力も元通り。前に話した魔女退治の見返りって言うのがこれ。」
そこへ、ほむらが姿を現します、マミは「まだ一度くらいは使える」と言ってグリーフシードをほむらに向かって投げますが、ほむらはそれを突き返し、「あなたのものだ」とそっけなく返答します。二人の間には険悪なムードが漂う・・・
マミ「あと一度くらいは使えるはずよ。あなたにあげるわ。暁美ほむらさん。」
さやか「あいつ。」
マミ「それとも、人と分け合うんじゃ不服かしら。」
ほむら「あなたの獲物よ。あなただけのものにすれば良いわ。」
マミ「そう、それがあなたの答えね。」
マミが魔女によって操られていた人を助けます。その姿を目にしたまどかは、人々を救うために戦うマミの優しさと強さに憧れを抱くようになり、自分もそうなれたら嬉しいと考え始めます。
まどか「叶えたい願い事とか、私には難しすぎて、直ぐには決められないけれど、でも、人助けのために頑張るマミさんの姿はとても素敵で、こんな私でもあんな風に誰かの役に立てるとしたら、それはとっても嬉しいなって思ってしまうのでした。」
感想
この時点だと、まどかが命がけで魔法少女になるほどの動機が今のところまだ見えないですね。それにも関わらず無理やり願い事を作ってまで魔法少女になろうとしているのがやや違和感というか、強引さを感じました。
ただ、物語の流れとして、あえてここまでは少し軽い気持ちで考えてしまって、次回の例の第3話で一気に厳しい現実に落とす、という狙いがありそうです。
ほむらがキュウべえに敵対する理由、まどかのことを知っている理由、そしてまどかがほむらは悪い人ではないと感じる点など、今振り返るとこの時点で考察できる材料が非常に多く散りばめられていて、放送当時は考察界隈はすごく盛り上がったんだろうな、と思います。やはり練りに練られて作られたオリジナルアニメはこういうところが良い。新しいオリジナルアニメがもっと見たい!