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『メタファー:リファンタジオ』体験版プレイ感想&序盤ストーリーまとめ

©ATLUS. ©SEGA.


プレイ時間6時間程度。大ボリュームな体験版。
最近のAAAタイトルの体験版は気合の入り方が違いますね。

 

プレイ雑感

  • 良くも悪くもストーリードリブンな作品。ストーリーの没入のさせ方、盛り上げ方は非常に優れており、プレイヤーを一気に引き込む力は、さすが橋野さん作品だな感じた。
  • 「中世ファンタジー」という使い古された舞台と聞いて、当初は不安を感じたが、人間がいわゆる「モンスター」といった扱いとして存在していたり、主人公が持っている本の中で、我々の現実世界に近い世界が理想郷として描かれていたりと、独自性が非常に強く出ていて、よくあるファンタジーとは一味も二味も違うという印象だった。
  • 「ペルソナ5」でもそうだったが、やっていること自体はシンプルだが、ストーリーパートがテンポ良く入ってきたり、常に動いていて見ているだけで楽しいUIアニメーションなど、飽きない工夫がところどころ張り巡らされている。
  • ゲーム部分としては8割ぐらい「ペルソナ5」という印象。ペルソナ5で完成されていたゲームメカニクスをベースとしつつ、一方で新しい要素も取り入れつつ、変化をつけてきている。
  • 変化として代表的なものを挙げるとアクション要素とコマンドバトル要素を融合させた「ファスト&スクワッド」システム。それ自体は他のゲームでも採用されていたり特段目新しいものではないが、ゲームに緊張感を与える役割として良いアクセントとなっている。
  • アクション部分に関しては、自分と弱い敵であればコマンドバトルに移行せずとも倒せたり、同等以上の相手でも、アクションの成否によってコマンドバトルが有利にも不利にもなるという、緊張感を味わえる点は良いと思う。しかし、ミスをした際のペナルティが過剰で、一度のミスで一気に致命的な状況になってしまうので、これが繰り返されるとやる気が一気に削がれてしまう。一方で、成功した時のアドバンテージも強力すぎるため、全体としてバランスが大味に感じた。
  • コマンドバトル部分では、弱点を突くことで行動順が増えるといった要素が重要な点として存在するが、それ自体はあまり新鮮味に欠け、むしろ定型化された「答え」がありすぎて、バトルの面白さを削いでいるように感じた。ただし、それ以外の要素、例えばノーダメージボーナスや陣形の変更、連携攻撃など、それとは別の駆け引きや戦略も多く存在しており、そのあたりは個人的に評価できる。
  • ペルソナシリーズにおける「ペルソナ」に相当する要素として採用されているのが「アーキタイプ」。これはいわゆるジョブシステムのようなものであり、上位ジョブの存在がほのめかされていたり、スキル引き継ぎといったカスタマイズ性もあって、バトル外の部分でも色々楽しめるようになっている。個人的にかなり好みなシステム。
  • 好みが分かれそうな部分としては、ストーリーやカットシーンの長さ。これはプロローグ部分だからより顕著であると考えられるが、ストーリーよりもゲームプレイをさせてくれっていうタイプには合わないかも。またはストーリー自体にハマらなかったとしたら苦痛かもしれない。良くも悪くもストーリーにハマれるかどうかだが、そこはクリエイター陣も自信を持っているんだろうなという印象。(実際出来がすごく良いし)
  • あとは、近年のゲームは開けたオープンワールドで探索が楽しめるようなものが多いなか、本作は(体験版範囲では少なくとも)そこまで探索要素には力を入れていないように思われる。街中であっても、ダンジョンであっても、入れないところが多く、カメラアングルも限定的で、オープンワールド慣れしてしまっている人間からすると、少し窮屈な印象も感じた。

 

ストーリーあらすじ

『ユークロニア連合王国』。8つの種族が暮らすこの国では、国王が亡くなり、世継ぎの王子もすでに死去していたため、国民は権力闘争の動乱を予感していた。そんな中、エルダ族の少年である主人公が妖精ガリカを連れて首都へ向かっていた。彼は、組織の秘密指令を伝える『密使』だった。

 

主人公の組織は、暗殺されかけた王子を守ろうとする一団だった。王子は辛うじて命を取り留めていたが、呪いにかかり眠り続けるだけの状態に。組織は王子の意思を継ぎ、国を救おうとしており、主人公も拾われ育てられた。彼は指令を仲間に伝えるため、軍に潜入しようとする。

 

主人公は新兵として軍に入隊し、北部国境の砦へ向かう。道中、クレマール族の青年ストロールと再会。砦に近づくと、深手を負った兵士が現れ警告を残して気絶する。ストロールは応援を呼ぶことを進言するが、兵士長は新兵に進軍を命じる。

 

道中、異形の怪物『ニンゲン』に襲われ、主人公の力が覚醒。圧倒的な力でニンゲンを撃退し、ストロールを救う。主人公は仲間のグライアスと合流し、ガリカから「王子に呪いをかけた大罪人ルイを暗殺せよ」という指令を受ける。

 

ルイの暗殺が王子を救う鍵だった。その夜、主人公は夢の中で幻想小説家モアに出会い、彼から謎の力『アーキタイプ』について教わる。モアによれば、この力は英雄だけが持つ、世界を変える力だという。主人公たちは国葬に出席するルイを狙い、王都への近道『ノルド廃鉱山』を目指す。

 

廃鉱山で待ち受けていたのは、兵士長クリンゲル。彼は、ルイの名声のために新兵たちを危険な任地に送り込んだと告白。真実を知り激怒したストロールも覚醒し、兵士長を倒す。主人公たちは力を合わせて廃鉱山を抜け、王都へ向かう。

 

一行は国葬の前日に王都へ戻り、酒場『蜜蜂のささやき亭』に身を寄せる。そこで、グライアスは国葬こそがルイを暗殺する絶好の機会だと語り、彼が実行役となる計画を説明する。主人公たちは陽動役として大聖堂に潜入することに。

 

国王の葬儀に現れたルイは、新王を僭称し、王の魔法が発動。王宮が浮き上がり、前王の巨顔が現れ「次の王は国民から最も信託を得た者とする」と宣言。混乱の中、グライアスはルイを暗殺しようとするが、王の魔法に阻まれ、逆に討たれてしまう。ルイ配下の男が大聖堂を占拠し、混乱は続く。